このブログは平成29年の記事です。

新年度が始まり4カ月目に入りました。
今回は、新入園児がたくさんはいった「きく組さんの一日」を紹介したいと思います。
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9:50「1・2体操」


きく組の一日は
元気な「1・2体操」から始まります。


10:00 「朝のご挨拶」

つづいて「朝のご挨拶」が始まります。
この撮影をしたのは、5月19日(水)
幼稚園に入園して、まだ一ヶ月とちょっとのころでした。


まずは
『トントンまーえ♪』
という歌に合わせ、
みんなに集まってもらいます♪


この時期、担任の吉富麻里先生が、
朝の時間で一番大事にしていたことは
「みんなの心を一つにする」こと。


新入園児も多く、
まだたくさんのお友達と一緒に過ごすことに慣れていない子どもたちに、
お友達と過ごすことの楽しさを知ってもらいたいと、
みんなで声を合わせて元気に歌ったり、



みんなでちゃんと線にならんだり、


「きく組として気持ちが一つになるように」
さりげなく働きかけてゆきます。


「うわー みんなきれいにならんでますねぇ 」


「あしたはえんそくなので、みんなのだいすきな、バスの歌をうたいましょう」


「うわぁ!!」


「大型バスに乗ってます♪」を、元気に歌い、


それからみんなでご挨拶


「おはようございます。」


それから麻里先生が一人一人の名前を呼び
みんな元気にご挨拶




みんな上手にご挨拶出来ました♪
それでは、今日の授業「童画あそび」を始めます。
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きく組さんにとってこの日は
新年度はじめての童画あそびになります。
今から、47年前の昭和45年に
エムポリアム幼稚園を創設した松山清之助園長は
「絵は心の広がり」と、よくいっていました。


松山園長は、当時まだ小さな地方の街に過ぎなかった郡山に
文化の風を送りたいと、郡山市ではじめて画廊をオープンした経営者でもあります。
たくさんの画家と交流を持ち、自身も絵筆を持つ芸術家でもありした。



昭和45年に、エムポリアム幼稚園を創設し、
文化活動の幅を教育分野に広げると、
松山園長みずから、絵筆を持ち、園児たちの絵画指導にあたりました。


その時に大事にしたのが
「絵は心の広がり」という言葉。


当時、幼児教育の世界で
童画あそびに、大きな4つ切りの画用紙を使う園はほとんどありませんでしたが、
松山園長は、「子どもは想いを絵で語る」と、先生たちに言い聞かせ、
4つ切りの大きな紙に、思いっきり「想い」を表現してもらうことを大事にしました。


その取り組みは全国の注目を集めて
「視察が全国から来たのよ」と、
松山園長の奥様である、ママ先生が言っていました。



エムポリアム幼稚園では
今でも、この伝統を大事に守り、
童画あそびを、4つ切りの大きな画用紙で行うために
机を片付け、童画板でお絵かきをしています。


「今日、この白い画用紙にみんなに書いてもらうのは『すきなもの』です」


「きのう、みんなに好きなものを一つ考えてきてねって、お願いしましたよね」



「これから、クレヨンでそれを描きましょう」


「はーい」

絵は子どもたちからの手紙だと言われています。



題:レモンティー

小さな子どもたちは、大人のように多くの言葉をもたないので、絵や歌や踊りといった、非言語コミュニケーションをつかって、自分の心の内にあるつぶやきを表現してゆきます。




題:新幹線

大事なことはうまく書くことではなく、
気付いたり、おどろいたり、興味を持ったり、伝えたいことを、自由に、アウトプット(表現)すること。



テーマ設定も、「みんなの好きなものはなにかなぁ?」とか、「みんなが一番好きなお母さんの顔はどんな顔?」と、子どもの思いや願いを触発し、その子なりの物語りが生まれてくるような導入があると、子どもたちはイキイキとクレヨンを動かし始めます。



題:おかあさん

絵の中で饒舌にお話を語り始める子どもたち。



題:おひめさま

麻里先生は、子どもたちの物語に耳を傾けながら、お話を引き出し、広げる聞き役に回ります。
例えば、ある子に、何を書いているの?ときくと
「お母さん」と教えてくれました。



「へぇ~お母さんを書いたんだねぇ」
「うん。あと、パパとママとお姉ちゃんとぼく」



話を聞いていると、大好きなお母さんから、パパ、お姉ちゃん、家族みんなへとお話が広がり、この子は家族をいろいろ書き足し始めました。


家族にまつわる思いがどんどん広がり、
絵で心の思いを雄弁に語り始めてくれたのです。

題:おかあさん(家族)

また、年少さんぐらいの年だと、
なぐり書きや塗りたくりが大好きな子もたくさんいます。


題:おかあさんのかお

「いつまでもなぐりがきばかりで形になる絵を描きません」と、なかなか形にならない子どもの「絵」にやきもきすることもあるかもしれませんが、


題:お母さん

ある美術教諭は、
「なぐり書きをしている子どもは、手から伝わってくる感触や、視覚的な刺激を楽しんでいるのであり、
小さなさざ波のような動きから大きな波のうねりのような動きまで、リズミカルで軽快な動きを巧みに表現している。」






題:お母さん

「それは、まるで小さな交響曲が紙面全体に拡がっているかのような動きであり、その段階を子どもは楽しんでいます。
大人が形になることにこだわり、下手に注文をつけたり、描き直しさせたりするのではなく、なおさらたくさんさせてあげるようにすることが大切です」と言っていました。




題:ロケット

言える事は癒える事・・・



題:シンデレラ

言葉がおぼつかない子どもたちにとっては、絵は発散手段にも表現手段にもなる・・・



題:キューレンジャー

麻里先生は丁寧に
子どもたちの思いに耳を傾けながら
子どもたちの心の手紙である一枚一枚の「絵」に題名をつけてゆきます。



題:スーパーマリオの帽子



題:おばけ




題:エルサ(アナと雪の女王より)



題:おかあさん

12:00 給食
※現在は「自園調理の温かいお給食」になっています。この記事を書いた平成29年当時は外部搬入のお給食でした。

トイレをすませたら
給食前に静かに机に伏せてすごす「静」の時間を、少しだけ過ごしてもらいます。



こうやってメリハリをつけることによって
子どもたちの集中力がとぎれにくくなり
一日を飽きずに過ごせる持続力が身についてゆきます。


気持ちが落ち着いたところで・・・



「おっきましょう、おっきましょう♪」


「おなかのすいたきく組さん♪」


と優しく歌うと・・・


子どもたちも、「はーい」と少しずつ気持ちを切り替え始めます。


みんなが起きたところで


今度は元気よく「いただきます」の歌を歌います♪


「お給食お給食うれしいな」


「何でも食べますよく噛んで」


「みんな揃ってご挨拶」


楽譜にかかれたクレッシェンドの音符の様に
だんだんと元気になってゆく子どもたち♪


「おててをパチンとご挨拶しましょう、先生みなさんいただきます」


入園から1か月目のこの時期
麻里先生が給食の時間に大切にしていたことは
子どもたちに「食べる喜び」を感じてもらうこと。





食事の時間を楽しい時間と感じてもらうために
ゴハン量だけでなくオカズの量も、一人一人に合わせて調整し、
完食する喜びを感じてもらっています。

ご家族への連絡帳を書けるのはこの時間しかないので、
集中して書き上げると、子どもたちと一緒に会話を楽しみながら食事をとります。



すると次々子どもたちが
「先生食べ終わりました」と嬉しそうに報告にきてくれます。



12:30からはおかわりの時間


「おかわりの欲しい子は来てください」と声掛けすると、
完食した子どもたちが、次々とやってきます


量を減らした子も、完食した喜びを味わってもらいつつ、おかわりすることで、量もしっかり食べてもらうようにしています。


「全部食べられましたね。すごーい」


麻里先生のこの一言が聞きたくて
子どもたちが次々とやってきます



食べるのに飽きて、遊び始める子がでてくると、



すかさず
「今は何のお時間ですか?」
と、さりげなく声掛けしてゆきます。


どうしても全部食べられない子には
最後まで無理やり食べさせるのではなく
お家で食べたことのないおかずがでることも多いので
一口だけでも食べてもらい、味を知ってもらうようにすることを大切にしています。



お食事の時間が終わると


「おててをパチンとご挨拶しましょう。先生みなさんごちそうさまでした」


12:45 帰りのお仕度

※現在は「こども園」になっています。現在の教育標準時間は2号児は18:30まで。1号児は13:30まで(19:30までの延長保育あり)。この記事を書いた平成29年当時は「幼稚園」でした。


この日は金曜日。

金曜日は持ち帰りのものが多く、帰りのお仕度が大変な日です


「今日、持ち帰るものは、歯ブラシ、コップ、うわばき、タオル、スモッグになります」


みんなに帰りのお仕度を説明すると
まずは、コップとお弁当箱のお片付け


それから帰りのお仕度に取りかかります。


今年の年少さんは、自分で一生懸命お仕度を進めてくれる子が、たくさんいます。


先生はどうしてもできない子に目が行きがちになるものですが、
できた子も、頑張ったからこそ「できたんだ!」ということを、ちゃんと認めてあげたいと麻里先生は言います。


自分でできた子には「頑張ったね」と声掛けするのを忘れない・・・



遊んでいる子には、さりげなく声掛けして、促してゆく。



例えば、タオルが残っていれば、タオルのところで呼んで、「忘れているよ」と気づかせてあげれば、遊んでいた子も動き出します。



マイペースな子には、早めに声掛けしたり、



一つ目のボタンをはずす導入のところだけを手伝って、2つ目からのボタンは自分でやってもらったり



一人一人に合わせて、働きかけのしかたを工夫してゆきます






明日は楽しみにしている遠足です


そのお話をすると、子どもたちの顔が笑顔でいっぱいになります


13:15 帰りの挨拶

みんな一列に並んで帰りのご挨拶


明日も楽しい気持ちで幼稚園に来てもらえるように


楽しく歌を歌って終わります


この撮影をしたのは5月19日
幼稚園が始まって1ヶ月
最初のころは泣く子もたくさんいましたが


幼稚園は楽しいところ♪


そう感じてもらえるように「種まき」してきた芽が、すくすく育ち


いまでは泣く子は少なくなりました。ほとんどいなくなりました。


最後にみんなでご挨拶をして


明日も元気にエイエイオー!

また明日も一緒に遊びましょう!!

(きく組さんの一日 お・わ・り)